ブックタイトル資材事典 Vol.1
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資材事典 Vol.1
参考資料160 金属加工の知識金属は加えられた力に対して伸びが生じ、その力を外すと元の状態に戻ろうとするが完全には戻れず、最初の状態より幾分変形した状態になる。その変形量が塑性歪みであり、戻った分が弾性歪みという。塑性加工とは塑性歪みを起こさせ元に戻らないように加工する事である。剪断は、上の刃(ポンチ)と下の刃(ダイス)との間に材を置き、挟みに要領で切断する方法である。上刃と下刃の隙間を適正に選定しないと、バリが出たり刃の寿命が短くなる。板を曲げると外側は長く、内側が短くなる。即ち外側に引張り力、内側に圧縮力が働いていることになり、板厚が厚いほど外側に割れ傷が入りやすいので、内曲げの大きさには十分な注意が必要である。(板厚以上のが望ましい)常温または高温で回転するロールの間を通過させて圧縮することにより延ばされて板材、帯状、形材及び管等に仕上げる加工である。厚板、フラットバー及びH形鋼等はこの加工方法により生産されている。身の回りにある針金とか電線、棒など金属の細い物は、太い直径の物から何回かテーパーになっているダイスを通して引っ張られ、段々細くなっていく。線材は、細引きされると加工硬化して強度がアップする。この性質を利用したのがバネ鋼、ピアノ線、セパ線材である。おもにアルミニューム、銅や黄銅等の非鉄金属は、加熱して先端にダイスがついた筒の中に入れて後ろからピストンで押すと、チューブの歯磨きのように押し出される。やや複雑な歯車や被覆導線等も押出加工ができる。