ブックタイトル資材事典 Vol.1

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概要

資材事典 Vol.1

震災からの発展―KSコボット、KSダイカラット―クニモトもの語りKSコボット土台スペーサーとしてのKSダイカラット・靭 1995年代、阪神大震災はさまざまな建物を容赦なく襲った。そのすさまじいエネルギーは、「耐震」という概念がそれほど存在しなかった住宅を全壊、または半壊に追い込んだ。私たちもその例外ではなかった。安心して住むことができる家のために、何かできることはないだろうか。震災で倒壊した我が家を建て替える時に大工さんに相談したら、今、日本には木造住宅に本当に良い金物はないとのこと。「この際、木と共に耐えられる良い金物を作りなはれ」その一言がきっかけとなって、木造軸組構法用の耐震補強金物を開発する機会を得たのである。 木造住宅を金属でただ頑丈に補強するだけでは、逆に木に負担が掛かる。木と共に揺れに耐える金物、それが結果的に建物の損壊を防ぐのではないだろうか。柔構造である木造住宅には、剛構造ではなく、柔構造の補強材が適している。建物は、バランスである。そして誕生したのがコボットです。 コボットは、卵に似た丸みを帯びた形状。だから、地震のあらゆる方向からの力を金物全体で受け止め、分散し、変形しながら吸収できるのだ。 震災後に見た、数々の家がぺしゃんこに潰されていた風景。この原因は、土台の劣化にもあった。木造住宅の布基礎と土台の間にはすき間がなく、土台の水分を求めてシロアリが発生し、腐食する。そこで考えられたのがダイカラット。布基礎と土台の間に敷設することで、すき間を作り、通気性を向上させる金物だ。高温多湿の日本では、高気密より風通しの良い家が健康に良い。風通しの良い家は土台がいつも乾いていることが条件。ダイカラットはそれを叶えることに成功したのである。 震災を契機に作られた二つの金物。地震を実際に体験し、大工さんの声を聞いて作りあげたクニモトのこれらの商品。特にコボットは、2004年に国土交通大臣認定を取得。木造住宅用資材という新たな分野への展開により、「健康百年住宅」の実現に向け、クニモトの躍動がはじまったのである。13